キングココナッツオイルは、一般的にはほとんど知られていないと思います。一部のオーガニックファンの間では、よく知られているココナッツオイルです。
では、普通のココナッツオイルとは何が違うのか?
キングココナッツオイルの特徴を活かしたおすすめの使い方などを調査してみました。
早速行ってみましょう。
キングココナッツオイルの特徴とは?
「キング」と付くそのネーミングから凄いのですが、そもそもの名前の由来はキングココナッツがスリランカの固有種であることからついたものだそうです。
スリランカの地理的特徴
スリランカと言えば、日本人には紅茶のイメージが先行してしまいますが、地理的な場所をパッと言える人も少ない気がします。世界地理のおさらいですが、インド半島の沖合の島です。
水滴のような形をしている島ですね。日本の九州と同じくらいの面積です。
スリランカの悲しい歴史
正式な国名は、スリランカ民主社会主義共和国(通称:スリランカ)です。意外にも社会主義国なんですね。
1948年にイギリスの植民地支配から脱して、セイロンとして独立しています。その時の名残から今でも島の名前をセイロン島とよんでいます。
国名をスリランカに変更したのは、1978年です。
日本人には、セイロンティーが馴染みがあるかもしれません。
ただ悲しいことに1983年にシンハラ人とタミル人の民族対立が起こり、2009年まで内戦が続いていました。こんな小さな島国で民族対立とは悲惨です。
まあ日本でもずいぶん昔に九州で隼人族と大和族の民族対立が起こっていますが、その頃とは武器も進化して大量に人間を殺戮できるようになっていますから多くの人間が犠牲になってしまいました。
内戦終結後からは、経済復興もめざましく同じ社会主義国の中国との関係も強化して中国の一帯一路構想の海のシルクロードの重要拠点として注目されています。
キングココナッツの特徴
さて、話をココナッツに戻すとスリランカの農産物のなかではまだマイナーな部類です。一番は、お茶、次いでゴム、カシューナッツ、米などがきます。
キングココナッツは、標高が低い海岸から標高200mまででよく栽培されています。まだまだ生産量が限られるため、ココナッツオイルの流通量も限定的です。
スリランカの人々の間では、キングココナッツは一般的でこのキングココナッツの水をよく飲んでいます。この水にはビタミンやミネラルが含まれており、スポーツドリンクのような味だそうです。
政府もこのキングココナッツの栽培を奨励していて、無農薬、無化学肥料での高品質で安全な栽培を指導しています。
キングココナッツがオイルになるまで
キングココナッツの実は熟成初期に、たっぷりのココナッツウォーターを実の中に蓄えます。そこからさらに2週間ほど木で熟成させると、実の中のココナッツウォーターが減り胚乳となります。
この写真の実をみただけでも通常のココナッツとは違うということがわかりますね。
さらにキングココナッツの胚乳は、通常のココナッツに比べると薄く、搾り取れるオイルの量が限られています。ゆえに商業用としては生産効率が悪く、生産量も限定的となっています。
キングココナッツオイルの特徴とは
他のココナッツと違うということは、オイルの成分にも特徴がでてきます。
キングココナッツオイルには、飽和脂肪酸の中でも分子量が小さいラウリン酸が通常のココナッツオイルよりも多く含まれています。
通常のココナッツオイルに含まれる脂肪酸の種類を食品成分表から見てみましょう。
ココナッツオイル100g中 | 重さ |
飽和脂肪酸 | 92.08g |
一価不飽和脂肪酸 | 6.59g |
n-6系多価不飽和脂肪酸 | 1.53g |
引用:https://fooddb.mext.go.jp/result/result_top.pl?USER_ID=15967&MODE=1
この表からもココナッツオイルは、ほとんどが飽和脂肪酸と言えます。ただn-6系多価不飽和脂肪酸も僅かながら含まれており貴重です。一般には、オメガ6といわれている脂肪酸で、体内で作ることができないため、食品から摂取する必要があります。
さて、ココナッツオイルの飽和脂肪酸の種類をさらに細かくみていきましょう。飽和脂肪酸といえば、肉やラードなどの脂肪を思い浮かべてしまいますが、ココナッツオイルの飽和脂肪酸は、身体に蓄積されない中鎖脂肪酸が多いと言われています。
飽和脂肪酸名 | 重さ/含有率 | 種類 |
ラウリン酸 | 43,000mg/47% | 中鎖脂肪酸 |
ミリスチン酸 | 16,000mg/17% | 中鎖脂肪酸 |
パルミチン酸 | 8,500mg/9% | 長鎖脂肪酸 |
オクタン酸 | 7,600mg/8% | 中鎖脂肪酸 |
デカン酸 | 5,600mg/6% | 中鎖脂肪酸 |
ステアリン酸 | 2,6000mg/3% | 長鎖脂肪酸 |
ヘキサン酸 | 510mg/0.5% | 中鎖脂肪酸 |
アラキジン酸 | 79mg/0.1% | 長鎖脂肪酸 |
ペンタデカン酸 | 35mg/0.1%未満 | 長鎖脂肪酸 |
引用:https://fooddb.mext.go.jp/result/result_top.pl?USER_ID=15967&MODE=1
ココナッツオイルには、飽和脂肪酸の中でも中鎖脂肪酸に分類される脂肪酸が8割を占めています。このような特徴を示すオイルは、他には少なく、ココナッツオイルの特徴となっています。
※中鎖、長鎖という分類法は、結合している炭素の数で分ける方法です。炭素数の区切り方はいくつかあります。一般的には下記のようです。
- 炭素数2-4 短鎖脂肪酸
- 炭素数5-12 中鎖脂肪酸
- 炭素数13以上 長鎖脂肪酸
なぜ中鎖脂肪酸がいいのか?効果や効能は?
中鎖脂肪酸は、一般的な油よりもすばやく消化・吸収され、すぐにエネルギーになりやすいという特長があります。その特徴を活かし、医療現場・スポーツ分野における栄養補給や、生活習慣病予防など、様々なシーンで利用されてきました。
さらに、最近では脳の栄養不足改善、アルツハイマー・認知症の予防・改善、にも効果があることがわかってきています。
また、ココナッツオイルの主成分でもあるラウリン酸は、抗菌、免疫力強化が期待できる酸です。
そもそも母乳などにも含まれており、赤ちゃんが母乳をのむことによって免疫力がついたりするのはラウリン酸のおかげのようです。
ラウリン酸は、唾液の酵素と結合することでモノラウリンに変化し、すばらしい抗菌、抗炎症作用をもたらします。
ココナッツオイルを常用する地域では、しばらく口に含んでクチュクチュすることで口臭や虫歯予防として活用しているそうです。
また、モノラウリンは腸内の悪玉菌を減らし、善玉菌を活性化させ腸内環境を改善することも知られています。
さらに最近の研究では、ラウリン酸が体内にとりこまれると肝臓で化学分解され、ケトン体という物質が生成されます。このケトン体はブドウ糖の代わりに脳のエネルギーとなったり、非常に強い抗酸化作用をもたらすことがわかってきて、アンチエイジング効果が期待されています。
おすすめの使い方・スリランカでのキングココナッツオイルの活用法
キングココナッツオイルの現地・スリランカでは、次のような活用をしています。
- 日焼け後の肌なの炎症を抑える
- 普段のスキンケア、ハンドクリーム、リップクリームとして活用
- 火傷、傷口の殺菌、保護、皮膚病の治療薬として活用
- 髪のコンディショナーとして活用
- 食事に摂り入れる
他のココナッツオイルと比べるとよくわかりますが、キングココナッツオイルは非常にサラッとしていて、スキンケアにはそのまま活用しやすいです。
抗菌、抗炎症作用があるのでスキンケアには最適です。
あとは普段の食事にココナッツオイルを摂り入れることで、実に様々な健康効果が期待できます。
キングココナッツオイルは、ココナッツオイルの中でもラウリン酸の含有率が高いので習慣的に摂り入れていきたいオイルです。
そのためにも本物のエキストラヴァージンオイルのものを活用したいですね。
エキストラヴァージンのキングココナッツオイルは、通販で購入可能です。
まとめ
- キングココナッツオイルは、スリランカのヤシの木の固有種から精製される
- キングココナッツオイルの特徴は、ラウリン酸が多く健康効果が期待できる
- キングココナッツオイルは、サラッとしておりスキンケアにも活用しやすい
- キングココナッツオイルは、生産量が少なく、貴重なオイル
日本では、まだ馴染みがないキングココナッツオイルについてご紹介しました。生産量が多くないことから、価格も他のココナッツオイルに比べると少し割高ですが、一度使ってみると他のココナッツオイルとの違いが明確にわかりますので、ぜひ一度お試しください。
個人的には、通常のココナッツオイルとの併用で使い分けるのがいいと思います。
でも一度スリランカの現地に訪れてみたいものです。
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