2018年11月15日に公表された「タイヤチェーン義務化」のニュースについて、掘り下げて調べてみると、今回のタイヤチェーン義務化の省令改正には「第4回冬期道路交通確保対策検討委員会」という国交省の有識者を交えた検討委員会での議論が元になっています。
委員会でどのような内容が議論されていたのか委員会の資料からまとめてみました。
早速見ていきましょう!
「タイヤチェーン義務化」を提案した第4回冬期道路交通確保対策検討委員会の内容とは?
この委員会の資料は、ネットで公開されているのでネット環境のある人はだれでも閲覧可能です。ただ、こういう内容を閲覧する人はごく限られた人でしょうね。一般の人でそこまで見に行く人はそんなにいないと思われます。
こういう委員会は、各省庁にあって法律の改正などをスピーディーにおこなうためにいろんな検討課題の委員会があります。見ていると意外とおもしろいテーマというかこれからの日本社会がどの方向にいこうとしているのかヒントになるものもあって、ビジネスネタにもいいと思います。
それはさておいて、タイヤチェーン義務化を決めた第4回冬期道路交通確保対策検討委員会の内容をポイントを絞って見てみたいと思います。
第1回の検討委員会は、2018年2月26日に開催されています。2018年11月1日に第4回が開催れて中間とりまとめの報告がされて、省令改正しましょうという流れです。
内容は、現状の課題認識、分析から始まって、具体的な対策案の策定、スケジュール化です。
現状の課題分析では、大規模な道路の立ち往生が発生した事案の分析と課題の抽出をおこなっています。
近年の降雪状況
- 昭和と比べて平成は、24時間降雪量の多い日が増大傾向
- 近年、積雪の深さが観測史上最高を更新する地点が3割以上あり、雪の少ない地域も含
め記録的な降雪が局所的に発生。
立ち往生の発生要因
- 立ち往生車両の約6割(年間300台以上)は大型車
- 冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)を装着しても勾配5%を超える区間は立ち往生が多く発生。
- 冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)を装着している車の9割弱はチェーン未装着。
※スタッドレスタイヤを装着していれば普通はチェーンを装着しないだろう。
除排雪に関する課題
- 少子高齢化で除排雪の能力が低下してきている。
平成29年度豪雪の状況事例研究
- 福井県、石川県内を走る国道8号の立ち往生事例の研究
- 北陸自動車道の通行止めで国道8号に車両が集中
- 大型車の脱輪をきっかけに渋滞発生、大雪で自走できない車多数発生
- 首都圏中央環状線の立ち往生事例の研究
- 首都高速の通行止めによる環状線への交通集中
- 大型車の立ち往生が原因
中間とりまとめで提言された対策案
この中間とりまとめの中の新たな取組の中に、チェーン義務化の内容が盛り込まれています。
取り組み方針のスケジュール化
タイヤチェーン義務化、規制の実施がスケジュールされています。H30年12月から実施予定で一部区間で先行導入、年度末からH31年にかけて順次適用を拡大していく計画です。
ほかにも新しい取り組みが同時に行われていく予定ですね。自治体の担当者は、なかなか対応に忙しくなりそうです。予算もそれなりにつくんでしょうね。
タイヤチェーン義務化区間は、こんなところになりそう
- 過去に立ち往生が発生している箇所
- 道路縦断勾配5%以上の箇所
- 緊急発表や大雪警報の発表及び降雪見通し、並びにチェーン脱着場などの施設の
整備状況を踏まえ集中除雪やチェーン規制を順次導入
国道8号・北陸自動車道 冬期交通確保対策(案)
北陸自動車道と国道8号でのチェーン規制区間がすでに明示されています。この区間を通る予定の場合は、チェーンを携帯している必要がありますね。
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