2019年はいよいよ改元の年です。平成も間もなく終わりますね。日本人には年号(元号)はなんだか馴染みがあり、最近の若い世代はどうかわかりませんが生活の中に溶け込んでいるものですね。
西暦表記と元号が混在しているのはおそらく日本だけです。ある意味特異な文化と言ってもいいと思います。
そもそも元号とはなんなのか?過去、どのように決められてきたのか?過去の元号を調べると72文字の漢字から構成されてきたことがわかります。
どのような漢字が採用されてきたのかなど見ていきましょう!
そもそも元号(年号)ってなに?
2019年は、改元の年ですがその新元号(年号)になるタイミングは、2019年5月1日の新天皇即位の時です。
日本の元号(年号)のはじまりは、「大化(たいか)」です。あの「大化の改新」で有名ですね。大化が使われるようになったのは、645年です。
その後、「白雉(はくち)」、「朱鳥(しゅちょう)」と続き、701年に「大宝(たいほう)」と改元して脈々と現在まで続いてきているわけです。実に1374年の歴史があるということになりますね。
この約1400年間に使われた元号(年号)の数は247個です。これだけ長い歴史があるとまあ当然の数かと思いきや、天皇の数よりもすごく多いじゃない!!あれ?となりました。
現在の天皇は、125代です。元号の数はその倍ぐらいあります。
元号が変わる理由は、新天皇の即位以外にもあった!?
元号の数がこれだけ多いのは、新天皇の即位以外にも大地震や大火、飢饉、疫病などが災い事が発生すると「災異の改元」といって、災いを断ち切り、新たな時代を生きていこうという意味で時の権力者・為政者が改元をしてきたからです。
ということは、改元の歴史をみていくと日本歴史がわかるといっても過言ではないでしょう。これは、西暦では見えてこない歴史が元号で見えてくるという利点ですね。
しかしながら、明治には「一世一元の制」が導入されたので、明治以降は新天皇即位のタイミングでしか改元されなくなっています。
ちなみに改元の間隔が最も短いのは、鎌倉時代の「暦仁(りゃくにん)」の2ヶ月と14日間です。みじか!!
この時は、「暦仁」が「略人」という人が略される、減るという悪い風評が立ち、政権があわてて、改元したという経緯があったようです。
逆に長く続いても室町時代の「応永(おうえい)」の33年10ヶ月と8日間です。ほぼ一世代という感じですね。
このように元号(年号)はより人間臭い暦制度だったように思います。
過去に使われてきた漢字とは?72文字しかない!?
元号は、起源が中国の前漢にあってすべて中国の古典から採用されています。
その中国古典とは、「尚書(書経)」、「周易(易経)」、「文選」、「後漢書」、「漢書」、「史記」などがあります。
ちなみに「平成」は、「史記」と「書経」から採用されています。
「大化」から「平成」までの247個の元号には、504個の漢字が使われています。この中には、重複して繰り返し使用されている頻出漢字も結構あります。重複漢字を除くと実際に使われている漢字は72文字に集約されます。
元号の頻出漢字を一覧表にしてみました。
29回(最多) | 永 |
27回 | 元、天 |
21回 | 治 |
20回 | 応 |
19回 | 正、長、文、和 |
17回 | 安 |
16回 | 延、暦 |
15回 | 寛、徳、保 |
14回 | 承 |
13回 | 仁 |
12回 | 嘉、平 |
10回 | 康、宝 |
9回 | 久、慶、建 |
8回 | 享、弘、貞 |
7回 | 明、禄 |
6回 | 大 |
5回 | 亀 |
4回 | 寿、万 |
3回 | 化、観、喜、神、政、中、養 |
2回 | 雲、護 |
1回 | 乾、感、吉、亨、興、景、衡、国、斉、至、字、朱、授、勝、昌、昭、祥、成、泰、鳥、禎、同、銅、白、武、福、霊、老、祚、雉 |
(出典:『日本年号史大事典』)
新元号もこの72文字の漢字の中の組み合わせ2文字で採用される可能性が高いですね。
しかもローマ字表記の頭文字が(M,T,S,H)と被らないものとなると漢字の候補もさらに絞り込むことができそうです。
そして、新しい時代に希望を込めた意味をもたせる必要があるので、どんな元号になるのか楽しみです。
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まとめ
- 元号(年号)は、中国起源で中国古典から採用されてきた。
- 新元号(新年号)に改元するのは、為政者が人心を一新したかったから。
- 元号(年号)に採用された漢字は72文字しかない。
元号(年号)は、歴史的にも文化的にも日本人とは切ってもきれないもののようです。発表される新元号がどんな願いを込めたものになるのか気になりますね。
ちなみに平成は、「内『平』かに外『成』る」、「地『平』かに天『成』る」との願いが込められています。
しかしながら平成は、地震、風水害など災害の多い時代となり、なかなか地『平』かにはなりませんでしたね。
新しい元号の時代が願いどおりの時代となることを祈るのみです。
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